仏壇リフォーム市場の現状について

わが国は空前の高齢社会となっていますが、人口の急増と経済成長に沸いた団塊の世代をはじめとして、高齢になった多くの人々が、いずれは人生の終焉と向き合わなければなりません。そうしたなかで、これまであまり注目されてこなかった葬儀や信仰に関連する産業というのは、一種の成長産業とも呼べるものになっています。仏壇に関しても、やはりこうした産業の一翼を占めてはいるものの、葬祭サービス業などの他の関連産業とは、いささか趣きが異なっているところがあります。実際にこの産業の状況がどのようになっているのか、リフォームなどの新しい分野における市場開拓の状況はどうかといったところを分析してみると、これからの産業の向かうべき方向性というものが見えて、興味深いものです。

ライフスタイルの変化や輸入品に押される仏壇市場

仏壇の製造や販売を純粋に産業として考えた場合、高齢社会という需要の裏付けがあるにもかかわらず、実際のところ、その勢いは低調なものとなっています。その一因としては、戦後の日本人のライフスタイルの変化と、低価格の輸入品の流入といったことが挙げられ、リフォームなどの別分野での取り組みが必要とされています。ライフスタイルの変化ですが、戦後は核家族化が進むとともに、洋間が中心の住宅様式が増えてきています。そのため、部屋の中に置き場所がない、あるいはそもそも本家や実家には設置されていても、個別の家庭では購入しないという、需要減の状況になっています。また、海外製品については、東南アジアなどの安価な労働力を背景として、急速に日本市場に進出してきています。唐木でつくられたものなどは、むしろ用材そのものが東南アジアなどからの輸入品であったため、容易に現地調達できるというところも問題です。

リフォームなどのアフターサービスに活路を見出す

仏壇の製造そのものが国内の産業界ではきびしい状況に置かれている以上は、これとは別の関連サービスの分野を強めることが求められます。そうしたなかで、活路を開く新たな分野として期待されるのが、リフォームをはじめとしたアフターサービスの分野です。こうした新分野は、まだ取り組んでいる業者が少ないという時点で、これからの伸びしろがあることがうかがえます。また、エコロジーやもったいないといった精神にも合致するものであり、その意味でも時代にマッチしたサービスであるといえます。基本的に、工場などで職人を雇用し、解体修理のような大掛かりな作業を行うサービスもありますが、薬剤を用いたクリーニングやちょっとした金具の交換などといった、小規模でリーズナブルなサービスのほうも、根強い人気を得ているといえます。